【新作】『コード・オブ・ジョーカー Pocket』は“すでに熟成されている”最高峰のデジタルTCG

『COJポケット』が見せるデジタルTCGの真髄

時代(とき)は平成。世は正に“デジタルTCG”が割拠する戦国時代である。

この過酷溢れるTCG界に臆することなく、大胆にも送り込まれたのがセガ・インタラクティブの『CODE OF JOKER Pocket(コード・オブ・ジョーカー Pocket)』(以下『COJポケット』)だ!!

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正直な話、本作はデジタルTCGとしてはルールが複雑である。

しかし、足掛け3年以上もゲームセンターでカードゲーマーを唸らせてきた歴史は裏切らない。複雑さは同時に選択肢の多さであり、プレイングの重要性を意味している。

とくに興味深かったのはつぎの3要素。

賄賂で本来の支払いをちょっとだけ踏み倒す“コスト軽減”。組織に身を捧げた部下をリストラして新人をコネ採用するが如き戦法が実現する“撤退”。そして、幾重にも張り巡らせた罠で相手を絶望のどん底に叩き込むインターセプトだ!

「どういうこと?」と思った読者も多いと思うが、熱い駆け引きのもと、それほどにスリリングなバトルを楽しめるのが『COJポケット』。デジタルTCG界に旋風を巻き起こす、手に汗握る戦いがここある!!(^^)!

その真理について、順に解説していこう~♩

 

コスト軽減:手札を破棄することでカードのコストをマイナス1する

バトルでもっとも重要なのは“CP”の管理。“CP”とはカードのプレイに必要なエネルギーのことで、ターン開始時に総量の増加と全回復が行われる。この“CP”の範囲内で各種カードをプレイし、相手のライフを削り取っていくのが本作の基本的なゲーム展開だ!

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▲高コストのカードほどステータスが高く、強力な効果を秘めている傾向がある。この“戦神・毘沙門”は高コストの代表格。7コストと重いが、盤面をリセットして自分だけ居座るという恐ろしい能力が特徴だ。

TCGでは自分にとって最悪の一手を相手が打ってくると想定して動くのが基本。たとえば、上で紹介した“戦神・毘沙門”はとくに警戒すべき能力を持っている。TCG経験者であれば、このように考えるだろう。

「“CP”が7溜まったら毘沙門を警戒しないと」

しかし、『COJポケット』の場合はこれでは不十分。というのも、“コスト軽減”というユニークなシステムがあるからだ。これを使用すると“CP”が6の状態で7コストカードをプレイするような意表を付く動きができる。

“コスト軽減”がどういうものか、画像でお見せしましょう。

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▲手札に7コストの“戦神・毘沙門”を抱えているが、“CP”が6なので場に出すことができない。こんなときこそコスト軽減の出番!
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▲不要なカードを“トリガーゾーン”と呼ばれる置き場に設置すると、手札のカードのコストがマイナス1された。“戦神・毘沙門”も左上の数字が7から6に下がったのがおわかりだろう。

それでは、“CP”を6支払って“戦神・毘沙門”を場に出してみよう。

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▲“戦神・毘沙門”の効果で更地の完成。なお、コストの減ったカードをプレイした段階で軽減用に設置したカードは破棄される。また、プレイしなかったカードのコストはもとの数値に戻る。

コスト軽減によって、ハンドアドバンテージと引き換えにサイズの大きいカードを1ターン早くプレイできたことになる。

「“CP”が7溜まったら毘沙門を警戒しないと」

こんな悠長な考えだと、コスト軽減から“戦神・毘沙門”を出されて為す術なくやられてしまうかもしれないのだ。また、バトルの終盤に“CP”が1足りずにコンボが成立しないなんてときにもコスト軽減は役に立つ。

ときに支払えないはずのコストが支払えてしまうのが本作のバトル。ピリオドの向こう側ならぬ、最悪の向こう側を読み合うのが『COJポケット』なのである!

ちなみに、コスト軽減用に設置できるカードは“ユニット”、“進化”のみ。また、コストを下げてプレイできるカードは軽減用に設置したカードと同じ属性の“ユニット”、“進化”カードのみとなっている。

 

撤退:任意のタイミングで自分の場のカードを破棄できる

好きなタイミングでカードを破棄できる“撤退”は、アナログのTCGを含めてもめずらしいシステムだ。TCG経験者としては、このシンプルなシステムに無限の可能性を感じるのだが、未経験者にはどれだけ便利なのかイマイチわかりにくいかもしれない。

ここではバトルの詰めのシーンを切り取って“撤退”の仕組みを解説しよう^^

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▲これは相手のライフを残り1まで削ったが、場の“ユニット”はすでに攻撃を終えていて、トドメをさせないという場面。俗に言う1足りない状況だと理解してほしい。
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▲手札には場に出してすぐに攻撃に移れるカードがあり、コストも足りている。しかし、場に出せるカードの上限は5枚まで。コイツを出せれば勝てるのに!

さて、もうおわかりであろう。こんな場面でこそ“撤退”は輝くのである。

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▲不要な“ユニット”を長押しして下方向にスワイプすると破棄できる。しかし、このエフェクトは撤退を通り越してもはや自爆の域だと思うのだが……。
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▲仲間の尊い犠牲により生まれた隙間に“スピードムーブ”持ちの“ユニット”をプレイ。これで勝ち!

“撤退”は小型の“ユニット”をワラワラと並べるタイプのデッキではとくに重宝する。チュートリアルでは説明されていないシステムなので、ぜひ覚えておきたい。TCG経験者なら誰もが泣かされてきたであろう“あと1点”を削るのは自爆……じゃなかった、“撤退”かもしれない。

 

インターセプト:特定の行動に対応して発動する罠のようなカード

本作のカードは大きく4種類に分類できるのだが、なかでもインターセプトはデジタルTCGの禁忌に踏み込んだおもしろいカードだ。

準備段階として“トリガーゾーン”と呼ばれる置き場に伏せておく必要があるのだが、ものによっては相手のターンでも発動できるのがポイント。戦闘が始まってから罠のように発動して、勝敗を引っくりかえすような使いかたができるのだ。

インターセプト”を用いた激しい戦いの模様を画像でお見せしよう。

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▲戦闘は“BP”の値を参照して行われる。ポイントが高いほうが勝つというシンプルなルールだ。相手が“トリガーゾーン”に複数枚のカードをセットしているのでちょっと不安だが、攻撃をしかけてみた。
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▲このままだと相打ちになってしまうので、こちらは予め配置して置いた“英雄の剣”を発動して“BP”を底上げ。相手の“BP”を上回ったことで、筆者は勝利を確信した。しかし!
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▲お相手も伏せておいた“インターセプト”を発動して“ユニット”を強化。こちらのターンなのに、敵の能力値が変わるなんて……。
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▲コイツ、戦闘力がまだ上がるのか!

不用意に仕掛けた筆者の“ユニット”は敢えなく返り討ちになってしまい、あとに残ったのは“インターセプト”が生んだ筋肉質なモンスター。

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▲その戦闘力は驚異の18000。勝てるか!!

しかし、“インターセプト”は無限の可能性を秘めている。力に力で対抗するなんてバカのすることだぜ!

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こちらの攻撃を迎撃せんと待ち構える脳筋モンスターを“インターセプト”カードの“タイタンの鉄鎖”で行動不能にしてやった。そして、相手のライフに直接攻撃! そもそも戦闘をしないってのも立派な戦略だからな。

非手番プレイヤーは“インターセプト”を罠として襲撃に備え、手番プレイヤーはそれを如何に掻い潜るか、戦略を立てて立ち向かう。

インターセプト”の応酬こそ本作の最大の見どころであろう。

ただ、先ほどデジタルTCGの禁忌と表現したように、相手のターンに動けるシステムはテンポの喪失に繋がりかねない。カードを使用できるタイミングが増えると、思考時間という間が発生するわけだから。

しかし、『COJポケット』は各行動に厳格な制限時間、さらには“10ラウンド”というバトルのゴールを設けることで、試合時間の短縮を実現している。

こちらの行動がすんなり通らないかもしれないスリル。本命の行動を成功させるために囮のカードをプレイするなどの駆け引き……。本作はそういった楽しみが詰まった稀有なデジタルTCGと言えるだろう。

また、これは本当に細かい点なのだが、“マリガン”(初期手札の引き直し)のシステムもすばらしいTCGは初期手札がひどいとそのまま負けてしまうことがある。これは俗に“手札事故”と呼ばれる状況で、デッキのカード配分を吟味しても完全に避けることはできないものだった。

しかし、本作の“マリガン”は5秒間であれば何回でもできる!

これによって、序盤に何もできずに押し負けてしまう最悪の展開はほとんど起こらない。また、ドロー系のカードが豊富なのも事故防止の追い風になっている。バトルで連敗を重ねてしまったとすれば、その敗因は“運が悪かった”ではなく“俺が悪かった”なのだ

実力だけがモノを言う、深遠なる『COJポケット』の世界をぜひ味わってほしい。